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日は充分に昇っていました。じゃあ大丈夫。メリンダに付いて行くと、おばさんはまだ朝ごはんの途中、なんていうこともあるのですから。
パパの国は、いま朝か夜か。見上げた木々の葉は、何も言わずさやかに風を受けています。
待ちきれないメリンダと美しいアメリが辿り着いたチェルシーおばさんの家は、ご近所の食糧庫。そうなってしまうのも訳なく、旦那さまは博物学者で、その旅先から世界のあらゆる食べものを送ってくるのです。なかには何が生えてくるのかわからない不思議な種やら、乾燥させた何らかもあり、チェルシーおばさんはそういう物には気が向いた時だけ立ち向かうのでした。
「どれでも好きなだけ持っていってちょうだい。物が多くて掃除が大変なの。イカの塩辛、干しアボカド、ざらめアンコウ、南国クツワムシのつくだ煮、さてどれにする?」
「そんなものはいらないわもっと普通なものはないの!何でもいいの私がパンにはさんでもおなかを壊さないものなら!」
メリンダが叫びました。
「そりゃそうだわね。これは山の酒飲みたちにあげればいいわ」
おばさんはゆっくりと、梯子を少し降りました。
「あれまぁ、いちごジャムがここに」
「すごく普通だわありがとう」
メリンダはその他に香草チキンと大きな豆、そして沢山のクラッカーをもらって袋につめました。
「アメリも何か持って帰るかい」
「そうね、優しい香りの紅茶があれば」
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