アメリの憂鬱

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「それは大変!何としても防がないと!魔女は憂鬱な気持ちを抱く若者が大好物よ。すぐにあっちの世界へ連れて行こうとやってくる。知らないかしら、近ごろまた流行りだしたみたい。国中の若者が次々被害にあっているわ。いい?夜になったら、鏡という鏡はすべて覆うのよ。鏡だけじゃない、何か光るもの、ガラスやティーポットもすべてよ。そうすれば〈鏡面にしか現れない種類の魔女〉はあなたに近付けない。わかったわね?」 アメリは何が何だかわからないまま、不安のなかで頷きました。不安というのは、一体誰がパパと私の手助けになってくれるのか、はたとわからない不安でした。
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