オカルトガイドブック

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 1866年に発見された手宮洞窟は、壁画が刻まれていることで有名です。その壁画は、頭から2本の角が生えた異型の人間が多く、他には杖らしきものを持った人や、丸みを帯びた小さな人などがあります。縄文時代に彫られたと推測されていますが、その意味や目的は現在まで解明されていません。  保存館に到着すると、建物の目の前には小樽市総合博物館があり、蒸気機関車の資料館もあります。手宮とは北海道に開通した鉄道の起点となる場所であり、本州から運ばれてきた物資がここから北海道に輸送され開拓されていったのです。いわば北海道の近代化の原点。そんな場所に、洞窟はあります。  さっそく中に入りました。小池は終始無言で壁画を見つめていました。何かが憑依したのではないかと心配になるくらいに真剣な眼差しでした。 「どうだった? 色々と説明が書かれていたけど、お前の直感は?」私は洞窟の保存館から出てくるなり質問しました。 「う?ん、さっぱり解らん」小池は首を左右に振りました。 「ま、それが普通の反応だよ。逆に何の画なのか解ってたら恐いわ。古代文字説やシャーマン説、そしてお前の好きそうな宇宙人説があるんだ」 「それだ! 宇宙人だよ、あれ。あんなの絶対人間じゃないもん」 「ここから西に行くと余市町があるけど、そこにはフゴッペ洞窟がある」私は次の目的地をカーナビに登録しながら会話していました。 「フゴッペ・・・・・・」 「そこの壁画も手宮によく似ているんだけど、少しだけ違うのは、背中に翼の生えた人間の壁画があるんだ」 「角の次は翼か・・・・・・」 「手宮とフゴッペの中間地点にオタモイがあるんだけど、そこは素通りして最後に行く」
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