第2章

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 自分の父親と、 久しぶりに会った拝島が、 同じカテゴライズの人間だとは なかなか思えなかった。 それは、 俺が父さんのことを そう思っていないことと 無関係ではないのだろう。 思っていない── と言うと、語弊があるが。 そもそも俺の中の父親像は、 真実を知るずっと前から 藤堂春海その人だ。 藤堂春海は、 思春期にさしかかった 俺の面倒を、 それはそれは丁寧に 見てくれたと思う。 あの頃よりは 藤堂春海の年齢に 近くなった今、 中学生くらいの ガキの面倒を見ることが できるかと問われたら、 そんなのはごめんだと 即答できてしまう。 自分がそうやって 大人の世話になり、 どうにか体裁を 取り繕える程度には 成長したことを鑑みると ひどく冷たいと思うが、 それはそれ、 これはこれなのだ。 .
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