透明人間から有色人間に

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何をしてたときだっけ。 あ、確か文化祭の準備で… 誰かが作ったものの後片付けをしているときだった。 出しっぱなしのペンをケースにしまう私に、 上から声がかかる。 「そんなのほっておけばいいのに」 他の人にするのと同じ顔で笑う男子は、私が見えてるみたいだった。 人に見られるなんて久しぶりすぎて上手く声が出せない。 しゃべれないでいると男子はしまったって顔して、皆のとこに戻っていった。 どうやら私は、透明人間じゃなかったみたい。 顔が熱くなった気がした。
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