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「いらっしゃい! えっと、ミナミ……」
「西園です。ご無沙汰してます」
「そうそう、西園ちゃん。元気だった?」
「はい! 佐々木さんもお元気そうで」
「おう! 元気だよー!」
一日をくれだなんて格好付けて言ったは良いが、洒落たデートプランなんてある訳がなく、結局タクシーで佐々木の店にやって来た。十四時近い時間とあって、店内は比較的空いている。
「良かったな、近藤ちゃん。忘れられてなくて」
「だからちゃん付けは止めろ」
この暑いのにぐるりと首に太い腕を巻き付けられ、眉間にシワを寄せて色黒の顔を睨み付けた。
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