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「嫌な奴だねぇ、近藤ちゃんは」
佐々木はニヤニヤ笑いながら、腕にぐっと力を込めた。しかし、西園は「でも」と続ける。
「スーパードライな近藤さんは、本当の近藤さんじゃないって分かっちゃったから」
「わはは。そうだった。こいつスーパードライとかって言われてるんだっけ?」
「おい、佐々木。離せ」
西園の話は、聞きたいような聞きたくないようなもやもやとした気分にさせられる。本当の俺じゃないからってどう続ける気だ。
「本当の近藤さんを知りたくて、仕事中もご飯食べてるときも、それこそ寝ようと思ってベッドに入ったときも近藤さんの顔を思い出しちゃって」
「西ぞ……」
「だから忘れる訳ありません!」
そう言い切ってえへへと笑った。
(ベッドの中でもって……)
自分の発言の破壊力に気付く様子もなく、西園はもじもじとネックレスの鎖を弄っている。佐々木がぴゅうと口笛を鳴らした。
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