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色黒の親友はニヤニヤと笑顔の残る顔で言う。
「とっておきの席を開けておいたから、仲良くやってくれ」
「海の見える席ですか?」
「そうだよ、西園ちゃん」
「わぁ! ありがとうございます!」
西園は目をキラキラと輝かせ、しっぽを振る子犬のように佐々木の後に付いていく。テラスに出ればむわりとした暑い空気と潮の香りに包まれた。
スカートを翻し、西園がこちらを振り向く。
「嬉しいですね、近藤さん!」
日光を反射し白くきらめく海を背に、輝く笑顔を見せる彼女。
――東支店の西園です。東の西です。
あの日、俺の元へ降りてきた天使。
「ああ、そうだな」
佐々木の咳払いを聞きながら、俺は眩しい景色に目を眇めた。
完
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