俺の職場の輝く天使

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 公園を抜けて約二百メートル。緑のパラソルが並ぶテラスのあるカフェに着いた。屋根から数分置きにミストが噴射され、少しだけ涼しさを醸し出している。 (朝飯はここにするか) 「……あれ? 部長?」  テラス席から声を掛けられた。 「西園君?」 「良かった! 髪を下ろしてたから、違ったらどうしようかと」  座ったままの彼女はふわりと笑顔を作った。 「おはよう。朝飯か?」 「ええ。部長も?」  ああ、と頷いた。  肩までの黒髪を後ろで一つに纏め、大きなリングの付いたネックレスを首から下げていた。肩の辺りがひらひらとした白いブラウスから覗く腕は真っ白で細い。 「部長もカフェとか来るんですね」 「だから、西園君の中の私のイメージはどうなっているんだ」  腰に手を当て眉を吊り上げると、ふふふと笑う。 「もし良かったらご一緒しませんか? ちょっと暑いかもしれませんけど」 「良いのか?」 「ええ。もちろん」  文庫本をパタンと閉じた西園は、向かい合った席に置いていたカバンを取り、俺のために席を空けた。
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