俺の職場の輝く天使

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「自炊はしたり、しなかったりです。部長はどうなんですか?」 「殆どしない。佐々木の店に……」 (海の見える席……)  果たしていない約束を思い出した所為で言葉に詰まってしまう。そのまま彼女の顔を見ると、ふい、と視線を逸らされてしまった。 (……?) 「自炊しないで外食ばかりだと栄養偏っちゃいそうですけど佐々木さんのお店でちゃんと食べてるなら安心ですね」  西園は横を向いたまま、息継ぎもしないで一気に喋った。 「そうだな。好き嫌いは無いから」  俺はサンドイッチに手を伸ばす。背中の辺りでミストが噴射され、少しだけひんやりとした。彼女も正面に視線を戻しカップを持ち上げる。
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