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「…………」
(話が続かない……)
店内からは軽快なピアノ曲が聞こえてくる。有名な曲のインストゥルメンタルだ。
(何て曲だっけ?)
アイスコーヒーのグラスを睨み付けながら、タイトルを思い出そうと脳内の引き出しを片っ端から開けた。
「……長、部長」
西園が俺の顔を見ていた。
「ん?」
「美味しくなかったですか? それ」
そう言って寂しそうに目を細める。俺の手には西園お勧めのアボカドサンド。
「美味いよ。やっぱり食べたい?」
「んもう! 違いますよ。なんだか手が進んでない感じだったので」
「ああ。すまない。今かかってる曲、聞いたことあるなあってぼんやり考えてた。タイトルもここまで出かかってるんだが」
出てこないんだ、と喉の前で手を振る。すると西園はにっこりと笑った。
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