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真っ暗ではあるが、
静寂ではなかった。
どこからか、
オルゴールの様な音が……。
暗い中、
どこからか鳴り響いていた。
赤ん坊をあやす様な、
ゆっくりとしたオルゴールの旋律。
聞こえてくるそれは、
暗闇の中にある売り場を不気味に演出していた。
異様な感覚。
数分前の売り場とは、
空気感が違っていた。
背中に寒気を感じながら暗い中を進み、
辺りの気配を探っていると、
店長が売り場の照明を点け始めた。
明かりが灯され始め、
少しホッとした。
だが、
オルゴールの様な音は、
まだ続いている。
店長にもこの不気味な旋律が聞こえていた。
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