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1DKの狭い部屋だったが、ずっと住むわけではないし、原稿を書くスペースを確保でき、寝れる場所があればいいと思っていた僕には十分だった。それに家賃も東京にしては格安だった。
鉄筋コンクリート造りのアパートは二階建てで、正面入り口を入ってすぐ右の壁が住人用のポストになっており、左側は二階に行くための階段がある。その間の通路を抜けると左に部屋があり、ここが大家の柿谷さんが住む101号室だ。
その奥にも二つ部屋があり、ここにも住人が住んでいる。階段を上がると、二階も一階と同じ造りになっておりこちらも三室、部屋がある。真ん中の202号室が僕の借りた部屋だ。そして、例のあの子、牧田七実さんが階段から一番遠い301号室に住んでいる。
部屋を借りる時、小説を書く事に夢中になっていて職にはついていなかった。部屋を借りるのに勿論、信用問題にも関わってきて、家賃を払えるだけの能力があるかなどの審査があり、職についてない僕が部屋を借りれるかどうか心配したが、大家の柿谷さんはそんな僕を快く迎えてくれた。勿論、大家さんには僕の事を説明した。ここには、色々抱えた訳ありの人が住んでいるから心配しなさんなと言ってくれた。
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