837人が本棚に入れています
本棚に追加
そして隋に到着し、遣隋使一行はお偉いさんのいる宮殿へ。
お偉いさんの名前は煬帝(ようだい)。
隋のトップである。
「おおー。倭国の者どもだな。よくきたな」
当時の隋には「中華思想」という考えがあり、読んで字の如く、隋は世界の「中」心であり「華」やかな国である、という「思想」。
なので隋は周辺国と対等な外交は結ばない。
必ず隋が上に立って、相手に頭を下げさせていた。
今回の、倭国との外交も、そうなる構図になると煬帝は当然のように思っていた。
「よろしい。顔を上げい」
妹子は顔を上げる。
「いやオッサンやないかww」
煬帝は心の中で突っ込んだ。
「(…妹子って名前だからてっきり女の子かと思ったわい)」
煬帝が実際こんなこと思ったかどうかは別として(100パー思わないが)そもそも「妹子」の由来は何なのか。
今でこそ名前の最後に「子」がつく=女性というイメージがあるが、当時は男性でも名前の最後に「子」をつけていた。
その証拠に「孔子」「孟子」は共に男性。
ちなみに「妹」という字は、もとは「居守」、つまり家に居て守るというのが語源と言われている。
妹子は、聖徳太子から預かっていた手紙を煬帝に渡す。
煬帝は早速その場で手紙を読み出す。
手紙を読むや否や、煬帝の顔はどんどん険しくなる。
手紙を持っている手がわなわなと震えだす。
小野妹子は心の中で、
「ちょっと待って、何かよー分からんけど絶対キレてるやんあの人」
と、焦り出した。
「あー妹子詰んだなww」
と、煬帝の側近がぼそっと呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!