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「何じゃあこの手紙は!!ワレなめとんのかああ!!!」
煬帝は声を荒らげて怒鳴り散らした。
「日の昇る倭国が日沈む隋国のお??倭の天子が隋の天子にい??何様のつもりじゃワレカッコつけんなシバき回すぞ!!!」
妹子はただただ唖然とした。
「(…ちょっと待って隋の皇帝やのに河内のオッサンみたいなキレ方してるやん)」
「ええか!この世で天子はただひとり!それがワイや!!お前らが天子を名乗るなど100万年早いわ!」
「しかしこれは隋との対等な外交を目指したわけで…」
「だからそれが気にくわんのじゃ!」
「決して私たちはそなたの国を上から目線で見ておりません。先進国である隋という国を尊敬しております」
「やかましいボケ。他の国はみな、ワシに対して頭を下げとんねん!今すぐお前を処刑…」
ん?
他の国…?
煬帝はふと我に返ったような表情を見せた。
「…わかった、妹子よ。お前たちの、学びたいという姿勢はよく伝わった。これから、我が国でたくさんの事を学べ」
「え?」
さっきまで、あんなに怒っていた煬帝がまるで幻だったかのように、急に穏やかに喋り出す。
こうして小野妹子は遣隋使と共に隋でたくさんの事を学び、翌年隋からの使者を連れて帰国した。
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