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救いの天使……そんな彼女に今、あることを告げようとしている。
あの日声をかけた時以上の勇気を使って。
その際に手渡すものもある。
上着の中に隠しておいてある、紫色のチューリップの花束。
過去、現在、未来……。
ずっと変わることがなかったし、これからも変わらない自信がある。だからこの花を選んだ。
心を捕らえて離さない、目の前の存在。
そんな彼女の全てを受け入れる。魂が揺さぶられるくらいの人だから、覚悟はある。
さて、そろそろ告げるとしようか。自分の中で一番の我が儘を。
『今までよりもっと、幸せになりたい』
欲張りな自分に密かに苦笑いをしつつ。
最大級の想いを、さらけ出したーー。
《終わり》
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