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海と陸地を隔てる柵にもたれ掛かり、海を眺める。物思いに耽るように。
思春期の男にしては、どこか変だった。
どんなにちやほやされても、全く心に響かない。興味が沸かない。
趣味の方がそれ以上に楽しく没頭出来るものだからか。
ただ……たった一時だけ例外があった。
その時に限って自分でも理解し難い行動を起こしていたのだ。
そして、一時の例外が自身を苦しめ続ける羽目になり、やがて気が付く。
理解し難い行動を起こしていた、理由に。
取り返しのつかないことを、と後悔しても遅すぎて……。
そこから満たされない日々。自らに嘘をついて手放した罰だ、と敢えてそれを受け入れていた。
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