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もっとも、女の子と彼女が同一人物だと気が付いたのは一年前。
感情を閉じ込めていたせいで記憶が甦るのに時間がかかった。
後に再会したときは初対面だと。そのつもりでいたのに不思議と心動かされる。
まだ残っていた自信のなさで一度離れ、そこで自分の気持ちがはっきりした。
もう会うのすら無理だと思ったが、またも再会。二度と手放さないと誓い、この日に至る。
誰も特別視出来ず、初めて味わう感情だけをずっと無意識に追い求めていた自分。
通常なら有り得ないことだろう。考えられるとしたら、
何気なく向けられた笑顔。それがあまりに印象的過ぎて、彼女以外は受け付けなくなった。
真っ暗闇に差し込んだ、大きな光。天使が纏うような感じの。
当時の自分からしたら強烈だった。そう解釈している。
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