対、魔獣

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オレ愛用の浅く反った片刃の刀は、日本刀によく似た形で、突きに使えるように先から少しだけ、薄く両刃に仕立ててある。 立てた刃を突き立てて刀を返して横に向け、踏ん張りをきかせて勢いをつけて薙ぐ。 ぷつり、と手応えがあった。 不思議なことに、手応えって確かにあるんだよなって思う。 力任せで何とかなっちゃってるのか、すごくいい感じにピンポイントで急所とでもいうべきとこをつけたのかっていうのは、何故だかわかるものなんだ。 振り切ると同時に、体を引く。 内側から押される力で、少しも引っかかることなく刀は振りぬけた。 やべ、来る! 傷口の正面からは飛退けたものの、暴れまわる魔獣の腹からは筆舌に尽くしがたいものがまき散らされる。 いや、待って勘弁してくれ。 遠くで後方支援の誰かが嘔吐する音がした。 「ぅアち!」 見たくないし説明もしたくないようなモノと一緒に、降ってきた魔獣の消化液が、オレをやく。 せめての悪あがきで顔をガードしながら、後退する。
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