昔のオレは知らなかったはず

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目を閉じて沈んだはずなのに、直射日光がまぶしくて、目を開けた。 死んだと思ったけど、死んでなかった。 一緒にサファテがいて、オレがそう簡単に死んじゃうわけがないんだけどさ。 遠くでいろんな音がする。 騎士団の隊長が指示を出す声と、それに応える声と、作業している音。 文化祭の片付けを思い出した。 オレは日当りのいい岩場の上に寝かされていて、大きな布で巻かれて、その懐かしい音を聞くともなく聞いていた。 「ぉお?!」 寝返りを打とうとして、自分の状況に気が付いた。 おぼれて助けられて、服をはがれて治療されたらしいくて、布の下は全裸ですが、何か問題でも? まごうことなく、マッパっすよ。 っていうか、問題ありありじゃん、動けないじゃねえかよ。 まあ、ひりひりとする首の後ろから肩口で、軽く酸で焼けたんだろうなってことはわかるから、動けたところで手伝わせてもらえるかどうか謎だけど。
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