あの夏の夕方

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あの夏の夕方。 コンビニに出かけようとしたあの瞬間。 落ちたのはオレだったのか、それとも、遠くでなっていた雷か。 グループでの外出で、気合を入れて服を選んだ結果、なんとなくいいなと思っていた女の子と、ちょっといい感じで話ができた。 ラインのキレイ目のシャツと、クロップドパンツに歩きやすさで選んだサンダル。 よしよし、幸先いいぞなんて、うひひと怪しく思い出し笑いなんてしながら、上機嫌で家に帰る。 帰ってきた瞬間に買い物を頼まれて、ちょっとむっとした。 けど、機嫌がよかったし、コンビニはすぐそこだし、雨が降る前には帰れるだろうと、引き受けた。 雷の音が近づいてきた気がして、慌てて家の門を出る。 別に何があったわけじゃない。 すとん、と足元が抜けた。 「え?」 オレになにかチート能力があったのか。 誰かがオレを呼んだのか。 「ぅえええええええ?!」 そんなことはわからないけれど、オレは、あの日からここにいる。
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