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「一緒に叱られてやるから」
優しい優しい声で、サファテがいった。
「トバは口うるさいけど、お前の大事な家族だろ」
「……ああ、そっか……うん、そうだな」
ちくりと、また、違和感がうずく。
でもその通りなんだ。
トバは、オレの家族。
ゆらゆらとサファテの背に揺られて、気持ちよくて、瞼が下りてくる。
「ルウ?」
「サファテ、今度スイカ割りしよう」
「スイカ割り??」
「そう。夏の、キャンプの時の定番のゲーム……スイカ、こっちではないかな……トバに、代わりになる果物教えてもらってさ……」
あ。
わかった。
わかってしまった。
さっきからちりちりと胸を焼く違和感の原因。
オレ、だ。
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