103人が本棚に入れています
本棚に追加
今日の仕事は、森のはずれにある貯水池近く。
騎士団と連携しての、どこからか迷いこんできた魔獣の退治。
たかが魔獣退治で騎士団と連携とか、ギルドで引き受けた時には大げさなと思ったけれど、こりゃあ騎士団も出てくるよねーって、獲物を見たときに遠い目をしてしまった。
大きさアバウト、昔どっかの博物館で見たT-レックス。
但し印象としては毛むくじゃらでマンモスが近いし、足が三組六本に、伸縮する尻尾三本つき。
いやあ、魔獣だよね。
オレの記憶にある『けもの図鑑』には載ってませんよ、そんな動物。
しかも主食が人間――魔力が豊富ならなおよろしい、って、どうよそれ。
怖え。
そいつが大小で二体。
多分親子だろう、と、騎士団の隊長がい。っていた。
そっか、親子か。
魔獣でも親子ってあるんだなあって、妙なとこで感心してしまった。
この魔獣は攻撃魔力のない種だけど、とにかく食欲が旺盛で、すでに数人食われてます。
それから背後から襲い掛かってくる尻尾には要注意。
今回の仕事にあたるメンバーみんなで、いくつかの注意事項を聞いて、作戦を知らされる。
とにかく二体を引き離すこと。
それが先決なんだそうだ。
騎士団の連中に比べれば力では劣るけれど、機動力はオレの方が上。
だからサファテがすごく嫌な顔をしていたけど、ひきつける役を買って出た。
サファテへのせめてもの気遣いで、小さい方にはした。
オレ、優しかろ?
最初のコメントを投稿しよう!