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話し合った作戦の通りに、といいたいところだけど、二頭を引き離すことにちょっとばかり手こずって、何とか小さい方の魔獣を水場近くに追い込んだ。
こっちの魔獣相手にきたのは、サファテとオレと、後方支援二人に騎士団から三人。
当然のようにオレのフォローについているサファテは、両刃の大刀で魔獣の尻尾を切り落とす。
「ルウ!」
「任せろ!」
鋭く聞こえたサファテの声は、オレへの制止だったのかもしれない。
けど、無視して地面を蹴った。
痛みで暴れる魔獣の口から吐き出されてるのは、できたら見間違いだと嬉しいなと思うけど、さっき姿を見失った冒険者仲間の一部のような気がする。
同行していた別のヤツが魔獣に目つぶしを食らわせた。
ィイイイイイガアアアアアア!
耳をつんざくように声をあげ、魔獣はちょうどいい感じに最後尾の足で立ち上がりやがるから、そこめがけて滑りこむ。
オレは昔から抜き胴が得意なんだよ。
竹刀とは違うから、打ち抜くことはできないけどさ。
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