完璧男子に類なし school festival

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まだ執事喫茶の名残を残している、電気もついていない教室。 俺はそこでぼーっと外を見ていた。 外からは、特設ステージでやっているライブの音が聞こえてくる。 生で見たいとも思ったけど、 さっきのことがあったし、人が多いところには行きたくなかった。 人前に出れば、「彼女と熱烈なキスをしていた男子」という目で見られるからな。 あのとき、瀬戸はどう思っただろう。 もしかしたら、何も思わなかったのかもしれない。 いや、そうに違いない。 むしろ、いい気味って思ったんじゃないか。 いつも瀬戸を乱暴に扱ってる俺が、逆に乱暴に扱われていたんだから。 「あ・・・」 小さな声がして、振り向く。 この声はおそらく・・・ 「・・・瀬戸?」 「・・・・・・うん」 瀬戸は教室の中へ入ってきた。 近づいてようやく月光が瀬戸に当たる。 「俺に用?」 「あ、いや。ちょっと・・・・・・一人になりたくて」 「そっか。じゃあ俺は別んとこ行くわ」 「・・・・・・」 なぜかわからないけど、ちょっとだけ気まずい雰囲気がして、 俺は教室を出ることにした。 さっき屋上も人がいたんだよな・・・ さて、どこに行こうか。
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