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僕が伊藤さんを飲みに誘うと、お店は伊藤さんが紹介してくれた。
伊藤さんが紹介してくれたお店に行くと、そこは居酒屋で、バリアフリーが整っていた。
お店に入って、まずは伊藤さんとビールで乾杯して料理を注文した。
「私、以前から若林さんと飲みに行きたかったんです。」
伊藤さんの思わぬ発言に僕は驚いた。
「僕は、足が不自由だから、なかなか飲みには行けないよ!
でも、今日は嬉しいよ!
伊藤さんには、かえって迷惑かもしれないけどね!」
「大丈夫ですよ!
そんなこと気にしないでください。」
伊藤さんの元気で明るい態度に僕は癒された。
居酒屋での伊藤さんは、小皿を取ってサラダを取り分けてくれたり、刺身の醤油小皿に醤油を注いでくれたりと、小さな気遣いをしてくれて、そんな伊藤さんの気遣いが嬉しかった。
僕は、足が不自由なことで恋愛は諦めていたけれど、思い切って伊藤さんに正直に自分の気持ちを伝えることにした。
「伊藤さん、僕は足が不自由で、いろいろ迷惑をかけると思うけど、こんな僕で良かったら友達からお付き合いしてもらえませんか?」
僕はきっと断られるだろうと思っていたけれど、伊藤さんの答えは違っていた。
「友達からではなくて、恋人からお願いします。」
僕は自分の耳を疑った。
「本当に僕でいいの?
僕はとても嬉しいけど!」
「私は、若林さんのことを尊敬しています。
若林さんは足が不自由なのに他の人と変わりなく仕事をこなしていて、すごいなって思ってます。
私は、若林さんの足を助けることくらいしかできないけど、こんな私で良かったら、よろしくお願いします。」
伊藤さんは、素直に自分の気持ちを伝えてくれていることが理解できた。
僕は嬉しくて、
「伊藤さん、ありがとう!」
と心からお礼を言った。
この日、伊藤さんと僕は、時間を忘れて楽しい時間を過ごした。
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