第1話 心霊スポット

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
ある日、深夜の公園の傍を通りがかった ところ、尿意を覚えて公園内のトイレで 用を足す事にした。 慌ててトイレの中に入ってみると、少し 狭いが綺麗に清掃されていて、不快な部分 など目に付かない。 立って用を足していたところ、突然個室 から水を流す音が聞こえてきた。 ビクッとすると同時に、嫌な予感がする。 個室はひとつだけあったのだが、最初から 扉は閉まったままで誰もいない筈だ。 故障かなと思い、ドアの前に立って ノックをしてみた。 (トントン!) 応答無し。 思い切って今度は扉を手前に引っ張ると、 和式便器ひとつだけがポツンと佇んでいる。 他に異常は無いまま、ホッとしながら、 扉を閉める。 しかし、なんだか奇妙な視線を感じる。 その時だった、誰もいない筈の個室から またも水を流す音が! 一瞬で鳥肌立った僕は、ドアノブを 握りしめ思い切り引っ張った。 (バン!!) 「ギャーー!!」 天井からロープがぶら下がり、若い女性が 宙に浮いている。 そして、明らかにロープが食い込んだ首が こちらを向きながらニヤリと笑った。 脱兎の如く全力でトイレを飛び出し、 走って逃げた。 その後、訊いた噂では恋人にふられた 女性がトイレのなかで、首を吊ったとの事 今でも、待ち受け霊としてトイレのなかで 恋人が来るのを待ってるらしい。 (終)
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!