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久しぶりにテレビをつけてみたら
ワタシ達の家が出てた…
街では防衛省が血眼でワタシ達を探してる
いくら、探したってムダ…
街から切り離された
この広大な森の片隅にある森の洋館に
ワタシ達の洋館に気づく人間はイナイ…
街ではこの森…人喰いの森と
言われてるらしいわ…
ワタシ達が食べちゃってるからなんだけど…
「なあなあ!この森の奥に
洋館があるの知ってるか?
ある一組のカップルが買ったらしいんだけど
その消息は不明なんだってよ…」
「いやだー怖いっ!」
「なんか、カップルの
男のほうが野菜好きらしくてさ!
俺、野菜持ってきたんだよ
怖いもの見たさってやつ!」
「ばっかじゃないのー?」
うふふん…♪
キタキタキタキタキタ…
茂みが揺れる音、奥から懐中電灯の光!
ま、眩しい…っ
ワタシはその場でしゃがみこんだ
如月ヴィオラ
(死人)
「子供達…ママが二人の気をそらすから
パパと隠れて…!」
子供達は頷いてシンと木の上に隠れた…
ワタシは両手で顔を隠して俯く
「ね、ねぇ…誰かいるよ?
あそこ…ほら、しゃがみこんでる女の人…!」
ワタシは懐中電灯の光を
直視できなかったからそのまま動かない…
「本当だな…お、おい…
あんた、どうした?」
声をかけてキタァ…じゅるり…
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