6人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
『お疲れ様です。気をつけて』
高橋君は素っ気ない口調だったけど、嬉しい気持ちは隠せていなかった。
本来なら、ひろ君ぐらいの子どもはヤンチャ盛りのはずなのだ。
なのに、白いチューブに繋がれて、泣くこともできなくて。
「仕事」だけど、ちゃんと「看護」していたけど、やっぱり見ていてつらかった。
だから。
私は、師長が「いちごを買ってきて」と言った時、絶対いちごを見つけたいと思っていた。
……本当は高橋君とした会話を、彼氏としたかったのだ。
彼氏の誕生日に急な仕事は入ったけれど、「仕事頑張れよ」という態度でいて欲しかった。
私が、クリスマスの時に彼に対してやったように。
でもそれは、私の勝手な我儘なのかもしれない。
彼氏が、「自分の誕生日なのに」と思って、仕事中の私にラインを送り続けたように。
最初のコメントを投稿しよう!