彼氏よりも、いちごが大事っっ!

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『お疲れ様です。気をつけて』  高橋君は素っ気ない口調だったけど、嬉しい気持ちは隠せていなかった。  本来なら、ひろ君ぐらいの子どもはヤンチャ盛りのはずなのだ。  なのに、白いチューブに繋がれて、泣くこともできなくて。  「仕事」だけど、ちゃんと「看護」していたけど、やっぱり見ていてつらかった。  だから。  私は、師長が「いちごを買ってきて」と言った時、絶対いちごを見つけたいと思っていた。  ……本当は高橋君とした会話を、彼氏としたかったのだ。  彼氏の誕生日に急な仕事は入ったけれど、「仕事頑張れよ」という態度でいて欲しかった。  私が、クリスマスの時に彼に対してやったように。  でもそれは、私の勝手な我儘なのかもしれない。  彼氏が、「自分の誕生日なのに」と思って、仕事中の私にラインを送り続けたように。
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