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そして、大いに勇者に為ったつもりで、青年は大神に会いに行った。
白い神殿の奥の門の先に洞窟があった。
水晶で輝く洞窟の奥に大神がいた。
毛むくじゃらの大猿で、ゲネンはやはり魔物だったと確信した。
魔物は倒すべき……
彼は勝てる自信に満ちていた。
大神は金を嫌う。それは金に弱いからではないか。
そう教えてくれたのは、耳を盗られた兄を持つ少女だった。
持ち込んではいけないと言う金の剣で刺し殺した。
大猿は、耳障りな甲高い悲鳴と大量の血吹雪をあげ、忌々しく死んでいった。
これで国では身体を失うこともなく、幸せに暮らしたかといえば、そうでもない。
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