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コンビニ結婚
我が町にもやっとコンビニができた。
実家の田舎には、このご時世コンビニに行くのに車で二十分かけて、隣町まで行かなければならなかった。
瀬山恵子、一ヶ月前、離婚して東京から実家に帰ってきた......
一度味わった便利な生活に慣れると、この不便さは本当に苦痛でしかなかった。
しかしそれも今日まで......
なんたって、コンビニにが出来た!
それも、家から歩いて一分の場所に!
「恵子、帰って来たなら、バイトか仕事しなさいよ」
帰郷するや否や、母の第一声がこれ――
「言われなくても、分かってるよ」と目を伏せながら呟いた。
仕事から帰った父は、昔から無口な性格だった為か、「おかえり」とだけ言うと、夕食のビールを飲む。
久しぶりに家族三人での食事、母が隣でギャーギャーと騒ぐ中、父は頷くのみだったが、表情は緩んでいて、何だか私が帰って来た事が嬉しそうに見えた。
コンビニの店員――
唯一出来たコンビニでバイトする事にした。
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