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えっ!?あれっっっ?
見渡す限り黒髪で、地味な人達。
ヤンキーなど見当たらない。
衝撃だった。
後に解ったのは、クラスの大半が家庭の事情などで会社の寮に住み、自分で学費を稼ぎながら通ってるって事。
毎日、会社と学校の往き来でグレてる暇も、クラスメイトで遊ぶ心の余裕もないって事。
知った時には、心からみんなゴメンって思った。
そんな事を知らなかった私は、バカ丸出しの容姿でツンケンしながら、転校生の挨拶。
みんな珍しい生き物を見る見たいに唖然としてた。
そんな中、机に伏せてスピースピーと寝息をたてる男子生徒を見つけた。
まだHRが始まったばかりなのに、爆睡!
先生が始業式だから体育館に移動する様にと声をかけても起きない。
みんなが珍しい転校生を囲みながら体育館に移動を始めても、微動だにしない。
そして、先生もクラスメイトも彼を起こそうとしない。
“始業式でしょ?寝させといていいの?もしかしてイジメられてるの?”
眠る彼の横を通りながら横目でチラッと見た時、驚いて足が止まった。
伸びた髪で隠れて顔は見えないけど、うつ伏せた机の上に半端ない量のヨダレが水溜まりになってる!!!!
クラスメイトは絶対に、あのヨダレ気付いてるのに、なんでスルーできるの!?
話題にも笑いにもしない。
クラスメイトに聞きたいけど、ツンケンした勘違い転校生は、そんな事を聞かない!
そのまま体育館へ行き、始業式を終え教室へ戻る。
あれ?いない!
戻った教室に彼はいなくて、机のヨダレも拭き取られていた。
どこにいったんだろう・・・
私はまだ顔も見ていないヨダレの君が気になって仕方なかった。
変だけど、あの姿に一目惚れしたとしか考えられなかった。
顔も見ていないのに。
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