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「大丈夫だよ。僕はずーっと、主人のしてきたことを見てきたんだ。僕にだってできるさ。えっと…二千十七年でいいんだよね?」
「はい…そうですけど。」
何故それを知っているのか問いたいが、問いても良いのだろうか?その前に、今なされることを止めるべきではないのだろうか?
未知のことでもう、頭の中はしっちゃかめっちゃかである。
「はい!でーきた。ほら、簡単!」
そんな、ぐるぐるした頭を抱えている数秒の間に、ピリーは何かを完成させたらしい。先ほどの話からなぞるとそれは、過去へ戻る薬である。
「はい!鳥花ちゃん。食べて食べて!」
「………。」
見た感じは苺色のマカロンである。一気に抵抗力が薄れた。
(これが薬?まさか。)
そんな安易なことを思いながら、私は思い切ってそれを一口で口に入れた。
元々、此処ははちゃめちゃな世界。若しかしたらこれは夢なのかもしれない。そうに決まっている。そう思いたいのに、マカロンのような見た目の薬の甘くて美味しいこと。
その時だ。
グラリッ!
視界が揺れ始めた。ピリーが、目の前が渦巻いていく。そして気を失う寸前にピリーの声が届いた。
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