4*母の心配

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そして、最後に生まれてきた小さいの……この子は、本当に小さい。他の子達が我ら種族の平均的な大きさであるのに、この子だけはそれを遥かに下回る小ささだ。 それに、生まれてからずっと眠っていて、先ほど目を覚ましたかと思えばまた、眠りについている。 姿形は私たちと同じなのに、大きさだけがまったく違う。過去にも、ここまで小さな子供がいたということを聞いたことは無い。皆、ほかの4匹と同じ大きさの子供しかいなかったのだ。 なぜこの子だけ、こんなに小さな姿で生まれてきたのか。理由はわからない。 それでも私は、子供を守らなければならない。 私たちの種族のなかで、この子達が一番幼くて小さい、今いるなかの唯一の子供なのだから。 私たちの種族は長命だから繁殖力は低い。もし、他種族と交わり子を産んでも、狼の神獣としては生まれてこない。その子は神獣とは似て非なる狼となるか、交わったほかの種族の子となる。 だからこそ、とても貴重である狼の神獣の子供、私の子供たち。この子達は、私自身で守らねばならない。 この子達の父である、私と同じ狼の神獣はあちこちを転々としていてあまり帰ってこない。とはいえ、仕事なのだからしょうがないが、あいつは魔人領にいるらしい。
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