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「えーっとねー、平たく言えば君の体にBL王道のアンチ主人公みたいなのの魂がはいりこんじゃってさー。まあ、要は君の体に君ではない別人の魂がはいっちゃったわけ。だからここに君を呼んだんだよ」
……ん?え?じゃあ、俺、戻れないのか?
「うーん、なんでかね、君の体とその魂がピタリと適合しちゃったっぽくてさ、まあ、そういうことだね」
「えええ……じゃあ、俺はどうすればいいんだ?」
「君の体に入った魂の体に入ってもらおうにもその魂の体が君がいた世界とは違う異世界のもので、そいつの体もう無いんだよね。だから君にはその世界に転生してもらおうと思います!!」
「え、マジか。
なんかもうテンプレだらけなんだけど」
でも、転生かぁ。俺、ちょっと憧れてたんだよなぁ。
「……それで、俺は何に転生するんだ?」
「それなんだけどね、君、転生先は人間がいい?」
「特に人間じゃないとダメとかはないけど……なんで?」
「あのねー、最近人間が魔王を倒そうと勇者召喚しようとしててさー。人間の王が指示してね。魔王は何もしてないのにさ、人間のエゴだけでね。だから君を人間には転生させたくなくってねー」
「うわぁ……
なら、俺の転生先って魔族とか?」
「魔族でもいいんだけど、神獣とかいいかと思って」
「神獣?人に崇められたりする?」
「本当はそういう存在だけど、最近は都市伝説みたいになってるね」
「え、じゃあ、人に姿を見せなくていいのか」
「うん。神獣たち人間に嫌気がさして今は森の奥、人間に見つからないところで暮らしてるからね」
「じゃあ楽そうだからそれで」
「本音ダダ漏れだよ。まあ、おっけーだよ!じゃあ、君はこれからまた1度眠って、起きた時には転生してるはずだから」
「おう」
目の前の神にそう答えると、途端に俺の意識は暗闇のなかに沈んでいった。
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