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「ガウッ」
「っわふん!」
ちょーっと俺の知識にないくらい大きな狼を目前にして意識が飛んでいたようだ。
その狼の鳴き声で正気に戻されたけど。
てかさ、その狼の瞳に写ってるころころした犬っぽいのなんだけどさ……
うん。どう考えても俺だよね。
俺を見てるんだからそりゃ目に映るのは俺しかいないよね!
で、その映った姿、この狼に似てはいるんだけどさ……
俺、犬なんかな?狼なんかな?
てかちっちゃ!俺ちっちゃ!!
待って!何、俺産まれたてなの!?
……まあ、転生したんだし、大抵は産まれたてか。
「ガウッ(小さいの)」
「わうっ?(えっ?)」
え、今頭の中に声が……
っていうか小さいのって何!?え?俺そんな小さいの!?
そりゃ、こんなにでっかい狼と比べたら小さいかもだけどさぁ……
という俺の小さな疑問と不満は狼に伝わらなかった。
当たり前だな。うん。
「ガウガウ(腹はすいていないか?)」
「わふ?……わん、わうわう!(お腹?……うん、すいてるよー!)」
「ガウ(そうか)」
それから、狼は俺の首根っこを咥えて移動した。
……なんか猫みたいだな。
あ、ちなみに俺が答える時になんか幼い感じなのがどうしてかは俺も知らない。
……神様補正?
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