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大友宗麟との面会を終えた一向は、城下の屋敷に通された。
大きな商家のようであり、大友家が、今回の土居家の為に、一軒丸ごと借り上げたのであろう。
そこに身の周りの世話などのための人々も用意されていた。
その建物の門前にて、案内の者に厚遇の御礼を伝えた隆行は、旅塵を落とし、屋敷の居間で半兵衛と話し合いの場を持った。
「思いの外、厚遇じゃな。」
「左様ですね。」
半兵衛は相変わらず涼しそうな表情で柔らかく微笑んでいる。
言うまでもなく、この厚遇を引きだしたのは、半兵衛の交渉への配慮であったのだが、それを主張する気はないのであろう。
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