擬態の外交

2/15
17643人が本棚に入れています
本棚に追加
/1030ページ
それから数日。 ようやく宗運の元を解放された隆行は、府内の仮住まいへと戻った。 大友家の監視は数日間隆行を捜索しては、一度府内に戻るという事を繰り返しており、隆行が府内へ向かった日は、丁度、監視が緩んでいる時であった。 そのタイミングで隆行を帰したのは宗運である。 宗運は欲しい玩具を欲しがる子供のように、無邪気に隆行を占有しているようであったが、しっかりと隆行の安全な帰路を計算していたのであろう。 (見えないように…心遣いをする…。本当に隼人みたい…。良い人物に会えた…。)
/1030ページ

最初のコメントを投稿しよう!