擬態の外交

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宗運は、隆行の未来から来たという話を聞いてからは「ならば拙者が当代の露払いを!」などと茶化し続けていた。 (しかし、援軍程度の依頼で行ったのに、傘下入りを即断されるとは思わなかった。) まだ大友家の手前、表沙汰には出来ないが、阿蘇家は土居家の従属国家となったのである。 僅か数日の話し合いで挙げた戦果としては途方も無い戦果であると言えよう。 しかし、この男の表情は相変わらず固い。 鬼のような強面で府内の城下へ入ると、すぐに大友家の武士達も感づいたようである。 俄かな隆行の周りが騒がしくなり、隆行が仮住まいに戻ると大友家の家臣が複数名待ち構えていた。
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