擬態の外交

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嘘の苦手な隆行の事も考えてか、半兵衛の回答は全て事実で構成されながらも、情報の出し惜しみにより、事実の曲解を招きかねない玄妙な回答となっていた。 こうして半兵衛が大友家の対応をしつつ、隆行達が府内での生活に戻ると、すぐに2日後には再び見慣れた顔が登場した。 なんと、甲斐宗運が、今度は堂々と正面から現れたのである。 当然ながら、大友家の監視達にも緊張が走った。 阿蘇地方の№2でありながら、実質の実権を握る者の登場である。 「先日は御無礼を致した。」 正装にて、礼儀正しく接する宗運は、まさに阿蘇家を代表する使節であった。
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