擬態の外交

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「いやはや、こちらこそ、唐突で無礼な訪れを、誠に失礼いたしました。」 先日のくだけた会合に比べて、お互い遥かに他人行儀なっているのは、当然ながら大友家の眼があるからである。 こうなると、さすがに宗運は場数を多く潜り抜けてきた猛者らしく、振る舞いに一点も不自然な点が無い。 隆行の無礼な訪れをそれとなくなじりながらも、阿蘇家の格式を守りつつ、敵対しないような位置取りを維持した物言いである。 始めて二人の会話を聞く大友家の側からしてみれば「確かに援兵交渉中だが、まだどちらに転ぶか分からない…。」という印象である。
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