軍聖の道選び

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対して半兵衛の描いた炎と山は、それらの家の特定である。 九州にある火山に所縁のある家といえば、火山信仰の祭祀社から発展した阿蘇氏である。 「左様じゃ。」 阿蘇家とは、九州中部に位置する阿蘇の地を根城とする豪族であり、九州の各地の大名家との繋がりを持っている。 また、大友家との同盟国でもあるため、土居家から見れば味方の味方にあたる家である。 外交上の駆け引きや謀での安定を目論む土居家が協力を求めるとすれば、地勢、状況共に、申し分無い家と言える。 しかし、その隆行の言動に対して、半兵衛は眼を閉じて笑みを消した。 やんわりとした否定である。
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