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「うむ。以前に縁を得た人物がいる。」
「まさか…その方は世俗の方では…。」
「世俗の者ではない。」
「と、言いますと…。」
「恐らく半兵衛殿の思い描いている人物と同一人物であろう。その方とは知己を得ておる故、直接訪ねる腹でおる。」
二人が言っているのは、阿蘇家筆頭家老の甲斐宗運である。
阿蘇家を実質的に運営している切れ者であり、九州の名将の一人である。
隆行は、以前に大友家を訪ねた際に出家したての甲斐宗運との知己を得ている。
その伝手を使うという事である。
「ふふふ。」
隆行の話に、突然半兵衛が笑い始めた。
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