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 彼の死を受け入れた日から数ヶ月が経ち、私はいつも通りの日常を過ごして帰途についていた。家のすぐ近くでにゃあ、とか細い声が聞こえ、辺りを見回すと、ダンボール一匹の子猫が入っていた。彼と同じ、真っ黒の体。それだけで懐かしさが込みあげてくる。 「久しぶり。」  その子をそっと抱きかかえ家のドアを開けた。
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