エピソード① 産まれた時から変

3/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
 発明王エジソンの名言「発明とは99%の努力と1%の閃き」は有名だけど、 実は新聞記者のでっち上げだったことは知られて無い。エジソンが本当に 言ったのは「1%の閃きが無ければ99%の努力なんて無駄」。 僕も人生で努力したことが無い。難問と対峙した時にも特別な事をする訳 でも無くボーッと見てるだけ。日本史研究でもネット検索で史料漁ってるうちに 「あ、あった」と偶然発見する。  だからと言って努力が不要だとはちっとも思っていなくて、むしろ努力する ことが尊いと思う。 エジソンは「閃く自分=天才」だと自慢した訳だけど、それは傲慢。 僕は努力しない自分を「ダメ人間」だとしか感じていないです。 僕の小説の主人公はダメ人間が多いのですが、それは作者自身がそうだから。  双子として一緒に産まれた兄貴は努力の塊みたいな人で、毎晩遅くまで 机に向かってコツコツ勉強してた。同じ部屋なのに僕は夜7時には爆睡。 あんまり僕が勉強しないので「少しは兄貴を見習え」と母親が怒ったのですが、 何しろヤル気がゼロなので暇潰しに本ばかり読んでました。  その結果、兄貴が学年トップの成績で、僕は国語だけ全国クラスに。  中学は私立で何故か兄貴も同じ学校になったのですが、4月の実力テストで 兄貴が学年2位。みんな名前をまだ憶えていないから会う人会う人に 「学年2位ってオマエ凄いな!」  と声を掛けられるハメに。最初は「いや、それは兄貴なんだよ」と訂正して いたけど、途中からメンド臭くなって「有難う、次回も頑張るよ!」って答えた。 それでも名前を憶えるにつれ「兄=優秀、弟=バカ」が定着して間違えられる ことも無くなり、ホッとしました。  大人になった今、兄貴は優秀な医者になって学生を教えています。 一方の僕は会社で出世コースを外れたダメ社員に。 うん、やっぱり努力って尊いものですよ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!