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「………んっ……」
「………は、ぁ……南…っ、その顔……ずりぃ…」
ベッドの上、貪るような深く長い口付けから僕を開放して、海斗が眉を寄せて掠れた声で囁く。
ズルいなんて云われても、自分がどんな顔してるかなんて知る訳がない。
見下ろす琥珀がゆらゆらと揺れて、熱く乱れた呼吸が絡み合う。
大きく息を吐いて、海斗の眉間に刻まれた皺が深くなる。
「足りねぇ……南の全部が、欲しくなっちまう…」
「………いいよ、海斗の好きにして。全部上げる」
「…っ」
熱を孕んだ琥珀が一瞬大きく揺れて、直ぐにまた唇が重ねられた。
海斗のキスはいつだって甘くて、徐々に深くなるそれは泣きたくなるような優しさを孕んでいた。
けれど今は、切羽詰まったように僕の全てを貪り奪い尽くすかのように荒々しく、熱い舌が口内を蹂躙する。
部屋着代わりのTシャツの裾から入り込んだ手の感触に、びくりと体が震えた。
少し汗ばんだ手の平が、脇腹から上へと素肌を辿る度に体はびくびくと震え、平らな胸の真ん中で存在を主張するそれに触れただけで、背中が反り返って喉から声が漏れた。
その反応に大きな手の平がさわさわと尖りを撫でて、長い指が摘んだり爪先で軽く引っ掻いたりの動きに変わる。
僕を開放した唇と舌は耳や首筋を舐めては吸い上げ、甘い痺れが体を駆け上り脳髄まで冒していく。
散々海斗に慣らされた体は直ぐに快感を思い出し、ほんの少しの刺激でも過敏な程に反応してしまう。
我慢の利かない子供のようにせっかちに衣服を全て剥ぎ取られ、海斗自身の服も全てが脱ぎ捨てられる。
「は、ぁ……んっ、かい、ぁあっ…」
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