第1章

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俺は…今、泣いている。 だが!俺が泣いている訳ではない。 今、泣いているのは…柳田 蓮司 (ヤナギダ レンジ)享年27歳 エリートサラリーマン。 「蓮司さん。いい加減にして下さい。」 『なんだよ…いいじゃないか。拓、冷たいな。』 俺は神崎 拓海 (カンザキ タクミ)17歳、高校生だ。そして、信じたくないが憑依体質で幼い頃からずっと…俺の所には霊がやって来る。大人になれば消えると思っていたのに、今では何の害もなく霊と交流出来るようになってしまった。 最初は身体を乗っ取られるような感じで、すぐに疲れてしまっていたんだ。だけど、ある時から全く平気になってしまった。 そして…今では、憑依した2人の霊が同時に話せるくらい凄い事になってしまったんだ。 今、泣いている蓮司さんは、死にたかった人で、自ら命を絶とうと計画中に不慮の交通事故で亡くなってしまった。こう言っちゃ何だけど…蓮司さんは女々しい…と思う。 『拓!ひどいよ。僕は女々しくなんてないよ!』 いや、女々しいよ。かなりのお坊っちゃまと見た。そんな蓮司さんが…まさかの恋をしたんだ。
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