第1章

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死にたかった蓮司さんが『生きている時に会いたかったな』なんて言ってる。よく考えてみれば、可笑しな集まりだ。死にたかった蓮司さんと死にたくなかった玲香さん。そんな2人が俺を通して知り合いになって、今では、仲良く話していたりするんだ。不思議だ。 「で、俺はそのエムエムって喫茶店に行けばいいの?」 『そうだよ。拓が行けば僕達も行けるでしょ。そして、是非、パンケーキを食べて欲しいなぁ。』 『そうね。拓海くんが行ってくれたら嬉しいわよね~。』 は? 初めの頃と比べると玲香さんのキャラが変わってきた気がするんだよね。 『まず、拓が喫茶店に行くだろ?そして僕と玲香ちゃんは拓の中で待ち合わせって事になるね。うゎお!楽しみだぁぁぁ!』 「蓮司さん、煩いですよ。何?待ち合わせ場所が俺なわけ?」 『いいだろ。拓の中じゃないと話せないんだから。拓、デートだよ。待ち合わせだよ。』 『蓮司さん、デートじゃないですよ。』 『うっ!酷い!玲香ちゃん冷たいっ!』 「蓮司さん…ウザいですよ。ウザいと嫌われちゃいますよ。ねぇ、玲香さん。」 『すくっ。そうね~ウザい人は嫌だわ。』 『えっ!僕はウザくないよ。玲香ちゃん誤解だよ。僕はただ…玲香ちゃんと待ち合わせがしたかったのに…』 大人気なくイジケる蓮司さん。そもそも、ちゃんとお誘いしてないでしょ。 『全くもう、困った人ですね蓮司さんは。わかりました。じゃあ、ちゃんと誘って下さい。』 えっ…大人な対応。蓮司さんはめっちゃ喜んでるよ…。
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