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『じゃあ、食べるよ。』
『うん。拓が食べてくれると食べてる気がする。ねっ、玲香ちゃん。』
『はい。拓海くん、ありがとう。』
何だか…切なくなった。この2人が生きていたら、ここで本当に待ち合わせをして、パンケーキを食べたんだろうなと。
『ちょっと、蓮司さん、あれ何なの?』
『えっ?どれ?』
『壁のスナップ写真よ。』
何か、俺が切なさに浸っている内に雲行きが怪しくなって来た。なんだ?なんだ?壁を見るとコルクボードにこの店で行われたクリスマスパーティの写真が貼ってある。常連さんの写真のようだ。その中に蓮司さんが写ってる写真があった。うわぁ、よく見つけたな…。集合写真だ。蓮司さんは綺麗なお姉様に両方から腕を組まれ後ろから若い男性に腕で首を締め付けられて、楽しそうな場面の写真だった。
あれ?もしかして…ヤキモチ?
『違うわよ!拓海くん!』
『えっ、何?何?ヤキモチ?僕、嬉しいな。だけど玲香ちゃん、あれはね、会社の同僚だよ。右側の子は僕の首を締め付けてる彼の彼女で左側の子はその隣の人の彼女なんだよ。みんなふざけて撮ったんだよ。僕だけ彼女がいなかったから。』
『そうなの?』
なんだよ…ラブラブか?
『ラブラブ…。れ、玲香ちゃん。僕、玲香ちゃんが好きです。』
『蓮司さん…ありがとう。私も…好きです…』
マジ?何か俺が照れるんだけど…。てか、俺の思った事駄々漏れじゃん。まぁ、良かったね、蓮司さん。
『ありがとう…玲香ちゃん。僕…嬉しい…うわぁああああ!嬉しいぞぉぉぉぉ!』
『嬉しいのはわかったから、静かにして下さい。』
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