2人が本棚に入れています
本棚に追加
店の中はいたって他の店と変わりませんでした。あくまで見た目だけですが。中にお客さんも私以外に二人いました。商品名は必ず『あなたが行う』という文字が小さく書かれてました。それは食品なども同様でした。そこはまだ平気です。しかし値段がひどすぎました。
私は『あなたが行うフルーツバスケットガム』という物を買おうと思いました。値段のところには『店員の希望』と書かれてました。他の商品も同様でした。
私はそのままレジにそれを持っていきました。
「は?何、レジ並んでんだし。それ、タダだから帰れよ」
目の前にいたレジの男店員の前にそれを置いた瞬間にそう言われました。やっぱりこの店はケンカを売ってます。ですが、私は店員に親切に聞いてみました。
「ホントにいいんですか?」
そこにいた若い店員はこちらをにこやかに笑って言い返してきました。
「私としてはいいです」
何か気になる言い方です。
そのまま扉の方まで行こうとしました。
「あっ、もしもし。警察の方ですか?今、万引きをされまして」
私は扉の前で扉を見ながら足を止めてしまいました。
「商品名は『あなたが行うフルーツバスケットガム』です。はい、では待ってます」
私は振り返ると先ほどの男性が受話器を持って店の受話器らしきものを耳に当ててました。
いやいやいやいやいや待て。
私は先ほどのレジのところに行きました。そしてその男に言いました。
「やはり返します」
「なぜです?」
「なぜって……」
説明する気にもなりません。
「あぁ、なるほどね」
最初のコメントを投稿しよう!